肛門外科

肛門外科

吸引結紮法

実は軟膏治療と手術との間にもうひとつの治療法があるのです。
吸引結紮法は外来で簡単にでき、さらに手術とほぼ同等の効果が得られる治療法です。内痔核を吸引して輪ゴムをかけ、縛ってしまう方法です。
粘膜麻酔の軟膏を塗ってから肛門を覗くのと同時に行いますので短時間で終了し、粘膜側は痛みを感じることも少ないため、あまり苦痛がありません。
内痔核の多くは3方向に存在しますが、一度に全部輪ゴムをかけてしまうと肛門の閉鎖感を感じるばかりか場合によって狭窄を生じてしまう可能性もありますので、だいたい月に一回ずつ行います。歯医者さんで一本ずつ直すのと似ています。
入院する必要はありませんし、脱出性内痔核や脱肛にも応用が可能です。それでも改善しない場合のみ手術をすれば良いのです。
痔のあるかたは怖がらずに治療して、早く苦痛から解放されることを期待します。

参考文献:
及川 博、月川賢、松岡博光、足立幸博(当院院長)、赤石治、山村卓也、山口晋(聖マリアンナ医科大学消化器外科)特集 肛門疾患診療の実際とコツ、内痔核の外来治療-吸引式輪ゴム結紮療法:臨床外科 第55巻 第8号 2000年8月 P959-962

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